藤森神社の伝統行事、駈馬神事の曲芸乗りをビデオ撮影

2009年5月 7日

観衆の注目を集める白馬京都市指定無形民俗文化財に名を連ねる「藤森神社駈馬」。この駈馬神事(かけうましんじ)は室町時代には武官によって、江戸時代には武士や馬術指南役などによって、明治時代からは藤森神社の氏子によって引き継がれてきました。この神事の内容は、下鴨神社の葵祭の前儀である流鏑馬とは少し勝手が違い、大陸方面の曲芸馬術の影響を受けたものとなっているようです。

今年の5月5日の子どもの日にも毎年恒例の行事が行われていたので、これをカメラに収めてきたというわけです。


駈馬神事の技名を知り、さらに深くお祭りを楽しむ

藤森祭で催される祭祀、駈馬をよりディープに楽しむのであれば、乗子(のりこ)が演じる技の名前を知っておきましょう。

神事の始まりは時代行列から

駈馬をはじめる前に、まず時代行列を作って本場場に入場します。隊列は神官を先頭にして、その後ろに巫女・旗持ち・太鼓持ち・子供行列が続き、この行事の主役である乗子がしんがりを務めます。乗子は先頭から、室町装束、江戸装束、現在装束という具合に、様々な時代に応じた装束を身にまとっています。

今年の行事で室町装束を着ている乗子は、駈馬のために仙台からはるばる来ています。

駈馬神事の本馬場入場

馬に走るコースを学習させるための素駈け

曲芸を披露する前の下準備に、全ての馬で素駈けを行います。馬にスタート地点とゴール地点をおぼえさせるために、曲芸無しでコースを走らせるわけです。

これをきちんとこなしておかないと、馬はどこで停止していいか判らず、ゴール地点をオーバーランしてしまう可能性が出てきます。そうなると、騎乗者にも見学者にも危険が及んでしまいます。

素駈けの様子

素駈けの時でも馬の性格がモロに表れます。観客に目もくれずまっすぐ突っ切る素直な馬、周囲の環境になじめず入れ込んでしまって全く走らないデリケートな馬など、さまざまでした。

横乗りは敵から身を隠すための技

片方の(あぶみ)に両足を乗せて、自分の体を馬体で隠しながら駆け抜ける技が横乗りです。

馬場の西側にいる観客には、どのような仕組みで乗子が馬体の側面に張り付いているのか、判りづらいと思います。

横乗りの様子

馬体で身を隠す乗子
乗子が鐙に両足を乗せているところを、真横から撮影した写真。

鞍の上で逆立ちする技が杉立ち

敵の前で逆立ちをしながら駆け抜けていく挑発技が、この杉立ちです。撮影地点から離れた場所で曲芸が行われたため、何が起こっているのか判りづらいです。

杉立ちの様子

敵の矢に当たった振りをする技が藤下がり

鞍の上からダラーンと逆さまにぶら下がって、敵の矢が命中した振りをする技が藤下がりです。この技も撮影している場所から離れたところで行われたため、見づらくなっています。

藤下がりの様子

逆乗りは後方の敵を観察し、味方に知らせる技

馬の進行方向とは逆の方向に体を向けて騎乗する技を逆乗り、まはた地蔵といいます。この技で後方にいる敵の様子を見ながら、味方に敵の動向を知らせます。

逆乗りの様子

落馬した乗子
後ろ向きの態勢から元の態勢に戻そうとした時に落馬した乗子。
観客席からは温かい拍手が送られた。

前傾姿勢で駆け抜ける技は手綱潜り

敵の矢の中を、ものすごい前傾姿勢で疾走するのが手綱潜りです。手綱で体を固定して、今にも落馬しそうな前傾姿勢で眼前を通り過ぎていきます。技が披露されると同時に、観客席からは自然と拍手がわき起こります。

手綱潜りの様子

一字書きという技で味方に信号を送る

戦闘中に前線から後方に向かって信号を送りながら駈けて行く技が一字書きです。騎乗中に木の板にお習字します。本来は信号を書くのですが、お祭りのおめでたい席なので「左馬」や「寿」を書いて見せてくれます。

一字書きの様子

一字書きで披露される左馬の文字
今回の一字書きで披露されたのが、縁起物の「左馬」。見やすいように文字を拡大しています。

左馬の説明「馬」は「うま」と読みますが、それをそのまま左右反転させて「まう(舞う)」と読んでしまおうというわけです。舞はめでたい席では欠かせないという所から由来しているようです。


2009/05/07 12:57 PM

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